人工知能をテーマにした近未来小説「Wシリーズ」が面白い!間違いなくおすすめ

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こんにちは。

1日1回以上は必ず本を読んでいる活字中毒者です。

最近は、過去に購入した"積ん読"を消化していたのですが、その中で森博嗣の「Wシリーズ」にドハマリしました。

人工知能をテーマにした近未来小説ですが、物語と舞台設定が良くできていて面白い。

あまり期待せずに1作目を読み進めましたが、ついつい夢中になって残り9作品(10作品)を追加購入してしまいました。

こんなに夢中になった小説は久しぶりだったので共有していきたいと思います。

Wシリーズはどんな物語?

舞台は人類が高度な科学技術を持った近未来の世界です。

長年の研究により発達したバイオテクノロジーにより永遠の命を手に入れた人類。

ただ、その代償となったのが、原因不明の不妊症(=子供を産めない身体)でした。

人間を生み出す技術

一方、人類は長寿化だけでなく、有機生命体である人造人間「ウォーカロン」を生み出すことにも成功しました。

このウォーカロンは、人間と比べて論理的思考に優れていたり、穏やかな生活を持っているという特徴は持つものの、外見上は人間と区別が全くつきません。

 Wシリーズの世界では、大量生産されたウォーカロンが人間社会に溶け込み、子供を産めない人間に取って代わる存在になりつつある様子が描かれています。

人工知能の登場

そして、Wシリーズで欠かせないもう一つの存在が人工知能(AI)です。

世界中のあらゆる情報を集めて、自ら思考をし続けて成長。

人間のようなジレンマに陥る様子も描かれています。

さらに作中では、ネットワーク上での人工知能同士の戦いも展開され、 人間には目に見えないところで勢力争いが繰り広げられていきます。

ハギリ博士の論理的思考が面白い

本作は、主人公・ハギリ博士が人間とウォーカロンを判別する装置を開発したことにより謎の勢力に命を狙われるという展開で進んでいきます。

ハギリ博士の護衛には情報局員「ウグイ・マーガリィ」が担当。

最初のチグハグな会話から徐々に打ち解け合う2人の関係性の変化は見逃せないところです。

また、ハギリ博士の論理的思考も面白く、

  • なぜ、人間は子供を産めなくなったのか?

など、物語が進むにつれて生まれてくる疑問に対して、豊富な知識を用いてハギリ博士が考察していくので、非常にリアリティがあります。

本作は、哲学書ではなく「小説」となっていますが、生きるとはなにか?人間とはなにか?など、考えさせられる部分も多くあります。

それでいて、僕のようなSFマニアではなくても、最後まで興味深くワクワクしながら読みすすめられるストーリー展開は「素晴らしい」の一言です。

Wシリーズから読み進めて大丈夫?

本作は、森博嗣が手掛ける「百年シリーズ」に位置づけられますが、Wシリーズから読み進めても全く問題ありません。

十分に楽しめる内容となっています。

(実際、僕は「Wシリーズ」を読んでからドハマリ。現在、百年シリーズを読み進めています。)

ただ、物語の途中で登場する"あらゆるテクノロジーの生みの親"である天才プログラマー「真賀田四季」は、"すべてがFになる"を読むことにより、どのような人物かを深く知ることができ、より一層のこと物語に深みがでるでしょう。

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

 

続編「WWシリーズ」も読むべき

Wシリーズは、普通の小説と比べて長編ストーリーとなっていますが、それでも尚、「もっと読みたい!」と思わせてくれる作品でした。

本は出会いであり、夢中になった作品は、終わりに近づくにつれて"名残惜しさ"を感じるものです。

本作も例外ではなく「あ〜あともう少しで終わってしまうのか・・・もっと続いてくれないかな〜」という"もったいなさ"も感じる素晴らしい作品でした。

しかしながら、嬉しいことに「Wシリーズ」に続く作品として「WWシリーズ」が販売されています。

僕のようにWシリーズにハマった方なら絶対に読んでおくべき作品と言えるでしょう。

それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain? (講談社タイガ)

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